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嗚呼!宮井平安堂!(老舗書店の撤退)

2013年11月05日

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『何十年ぶりかに梅田に出かけた時に、ふと本屋で時間つぶしをしようと足を運んだ時に、

紀伊国屋書店が無くなっていたら、皆さんはどう思うのだろう!』

 

マックスの小姑、吉田祥隆です!

新入社員時代の思い出話ではないのだが、少しお付き合い願いたい。

 

30年前、高校卒業後、本好きという理由から大阪に本社のある出版取次(問屋)に入社した

私は一年目から和歌山の担当になった。

写真①

担当した多くのお客様、老夫婦で営む商店街の小さな書店、徳川御用達だった老舗書店、

レコード屋やパチンコ屋から参入してきた書店、大小関係なくたくさんの書店の皆さんに厳しく、

優しく、教えられ、支えられ、たくさんの刺激とともに成長してきた。

 

地域一番店、本屋といえば「宮井平安堂」という大型店のサブ担当にもなった

(当時、市内の要所を押さえるべくFCを含め6店舗、ぶらくり町近くの本店、

市駅前のファーストビル店、JR駅ビル店、近鉄店、長崎屋店、丸正百貨店店があった)

写真②

「宮井平安堂」との絡みは特に深く、外商部の方と飲みに行って翌朝そのまま和歌山から

出勤したり、店頭の主任とご飯に行ったり、自宅に遊びに行ったりと、

よく考えれば今の私のスタイルはこの頃に形成されたように思う。

(ホントに今も変わらない! うん全然変わらない!)

 

新学期を迎える学生さんがワンサカ押し寄せる4月の第一日曜日は、

毎年紀の川SAの桜を見てから伺うのがお決まりだった。

各高校の辞典だけでパレット何十枚も出荷する新学期!

外商部での百科事典や美術全集の販売コンテストの入賞!

消費税導入の時に平積みしていた専門書ブース!

数々の思い出は次々に湧いてきて書き切れないほどである。

はじめて作ったクレジットカードもヤマハの楽器販売もされているこの会社のもので、

普段ほとんど使わないのだが、原点を忘れないために今も解約せずに置いてある。

写真③

(オリジナルのブックカバー)

 

今年の夏、サロンさんとの食事会に出向く機会ができた。

時間より早めに和歌山に入りちょこっとお店を覗いてこようとした。

どんな風に変わっているのか、ホントにワクワクしていたのである。

誰も知っている人はいないだろうな、と思いつつ本店のある本町二丁目にたどり着く。

看板を見つけ近くの駐車場に車をとめ、店の前まで行くと・・・!

看板の横の案内板には「1階実用書・雑誌、2階学習参考書・専門書」等とあるが、

ただの文具だけの販売店になっていたのである。

「えっ!」と思い、車に戻りスマホで確認し、お客様のブログ等から

一昨年に書店事業から撤退していることを知る。

「何で?」

車のシートに身を預けたまま、暫くのあいだ呆然としてしまった。

時代の流れや地域の変化で和歌山の街は変わっていると想像していたけれども、

あの「宮井平安堂書店」がなくなっているとは0.001%も思っていなかったからである。

「そんな馬鹿な!」「ありえへん」その二言しか浮かばなかったのだ。

何があったのか知らない!

ただ時代の変化と共鳴しなかっただけなのだろうが・・・!

 

日本を代表する大企業が当たり前のように外国企業の傘下に入っていく。

一世を風靡した企業が衰退していく。

変化と進化と流行の波!

いかに生き残っていくのか!いかに支持され続けていくのか!

マックスの10年20年後の姿は想像できているのか?

皆さんのお店の将来はちゃんと描けているのか?

描くお手伝いを私はできているのだろうか?

 

今一度、足元を固め、未来を見据え、予期できない将来に立ち向かえる組織を、

人を創造しなければと思う。

自分から、自責から、ホントの目標に向かって!

 

若い頃大変お世話になった

1893年(明治26年)創業の老舗「宮井平安堂」の書店事業撤退は、

私に大きな衝撃と新たな奮起を促したのである。

写真④