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『臨機応変(りんきおうへん)』 ― お客様をしっかり見つめる大切さ ―

2012年05月20日

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臨機応変は中国の故事『南史』に登場したものが諺になったもので、類似したものでは『隋機応変』というものもあります。
日本語に訳して読む時は、『機に臨(のぞ)み変に応ず』と読むそうです。
時と場合によって柔軟にうまく適切な処置をすること、その場の成り行きに応じて適切な手段をとることの意味で使われます。
臨機はその場にのぞむことで、応変は変化に対応することです。
英語の表現では、『Circumstances alter cases.』(状況で事情も変わる)と表現されるそうです。
古い川柳では、『臨機応変~御医者也~和尚也』(医者を呼ぶかお坊さんを呼ぶか、その状況にあった方を呼びなさい)などと読まれています。
今回は、臨機応変な対応が必要とされる、現代のマーケティングについての勘所をみていきたいと思います。

《臨機》

資本主義の経済も、経営の概念も、マーケティングについての研究も、消費者心理の研究も、太古の昔からあったわけではありません。
むしろ、それらは人類の歴史から見れば、つい最近のほんの短い歴史しかないものです。
したがって、確固たる揺ぎ無い金科玉条のようなものは存在せず、状況の変化によって『なるほどこういうことか』といったような新しい理論が出来上がってきて、変化に対応していくといった臨機応変さが必要ではないかと思うのです。
確固たる経営方針や理念や哲学といった揺るがない志は必要ですが、状況の変化を敏感ににらみつつ進化的変身をしていかないと、存続が危ぶまれるということを理解する必要があります。
先日、ビックカメラが家電量販のコジマの株式を半数以上取得して、実質的にグループ支配下に置くことが発表されました。
コジマといえば、10年前は家電量販店の分野ではヤマダ電機などの並み居る強豪を抑えて、トップに君臨する最高売上高企業でした。
さらに、二年前の地デジ化特需の、大型液晶テレビの爆発的な消費ブームに沸いていた家電メーカーも、当時の売上台数の2割台にまで落ち込んだといわれるテレビの売上減と、販売単価の下落によって苦戦を強いられているようです。
特に、シャープ、パナソニック、ソニーなどは、テレビの需要予測を見誤り、生産・販売ウェイトをテレビに置き過ぎて投資し、販売低迷による赤字決算やリストラを迫られたと聞きます。
消費者の動向変化についていけないと、有力大企業であっても苦境に立たされてしまうのです。
例えば、この夏は省エネが最重要ポイントですが、その次に出てくる傾向もチェックする必要もあるのです。

《応変》

小生が幼少期~少年期だった1960年代は、商店の看板を見れば、取扱品目=何を売っているのかがわかりました。
●●酒店、●●鮮魚店、●●青果店、●●書店…といった具合です。
現在は、店のネーミングだけが看板にかかれ、主たる販売品目をお店の看板に書く店は稀になりました。
店舗に大看板をつけてあるところも少数派なのではないでしょうか。
現在までの60年強の間に、業種という観念が取り除かれてきて、業態という考え方に変化し、購入するのに便利な集積店舗であるGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)として、ダイエー・ジャスコ・ニチイなどの総合スーパーが隆盛を迎えました。
最初は駅近隣にできていた総合スーパーでしたが、徐々に車使用前提の郊外型で大規模な商業施設としてのGMSとして発展してきました。
駅前商店街の小売店舗は小さな店舗面積では品揃えに限界があったり、駐車場確保が難しかったりといった状況もあって、苦戦を強いられました。
小売店舗の中には生き残りをかけて、郊外型専門量販店として勝負をかけた大型投資で売り場面積を拡大して、GMSに対して専門性と専門分野の品揃えで挑むものも現れました。
家電量販各社や、一部のカメラ量販(繁華街型のヨドバシ・ビックを除く)、玩具屋、家具と生活雑貨、書籍と書籍リサイクル、CDショップ、衣料、百円ショップ、スポーツグッズなど、数多くの業種が専門量販店化して郊外進出していきました。
勿論、飲食業もロードサイド店化していきましたし、美容室にもそういった傾向も一部あったのではないのでしょうか。
総合スーパーは複合的品揃えでどんなものでも有るが、それぞれの分野で代表的商品に絞り込んで集約的大量化で勝負するより無かったために、専門分野で売り場面積を大きくして品揃え強化した専門郊外型量販店に対して劣勢な分野が続出しました。
小売業界ナンバーワン売り上げを三越に代わって奪取していたダイエーが経営刷新を迫られる一方で、ヤマダ電機が小売業界売り上げ一位になったのも、その象徴的な現象でした。
ニチイやヤオハンなどといった総合スーパーの代表格も経営譲渡や更生・再生といった状況に陥りました。
そこで、総合スーパーも自社主導型の施設開発から一歩踏み出し、金融機関や大手不動産デベロッパーとの合弁でさらに魅力ある大型商業施設(本格的GMS)開発を目指しました。
ダイナシティ、ララポートといった冠のついた開発がそれです。
そこには、郊外店として自前で大型専門量販店出店を既にしていた、ユニクロ、スポーツ量販、家電量販、CDや書籍の大型店、靴や百円ショップまでその施設内に取り込んで、何でも専門的なものまで揃う懐の深さをGMSに持ち込んだのです。
さらに、既に映画館(シネマコンプレックス)も持っていたGMSに、もっとたくさんのアミューズメント性(娯楽性)を持ち込んできているのです。

《駅前の逆襲》

ここまで進んだ時点では、駅前商店街の空洞化が社会問題化してきました。
郊外型にシフトした専門店舗に押されて、小型小売店が戦えずに、店主が高齢化して跡継ぎもいないために廃業するなどで、隆盛を極めた商店街がシャッター通りと呼ばれるほどに魅力を失ってしまうところが現れてしまいました。
駅前百貨店の不振による閉店も影響して、車の無い人、高齢者層の買い物する場所が奪われてしまってきたのです。
私鉄各社は元々自社の沿線開発に熱心でした。
ベッドタウンの住宅開発をして、近郊の住民を増やし、駅前には魅力的ショッピングゾーンを作るといった大型開発です。
JR各社は元々国鉄でしたので、私鉄の様な大胆な開発はできていませんでした。
分割民営化されてから、汐留の貨物駅跡の清算事業団の土地売却でのオフィスタウン開発など、大規模な開発が始まりました。
駅の構内が広い品川駅内に、新しい発想で構内百貨店・エキュートをつくり脚光を浴びました。
その後、JR東海、九州、西日本などでターミナル駅の大型再開発が進みました。
JR各社に手法の違いはありますが、百貨店を中心に据えたショッピングゾーンにホテルなどが絡んだ駅ビルの総合開発です。
大きく生まれ変わったのは、名古屋駅、京都駅、鹿児島中央駅、博多駅、大阪駅などです。
JR主導とはいえないかもしれませんが、東京駅も八重洲口の駅ビルと周囲の再開発や、丸の内側も新丸ビルを中心に生まれ変わりました。
大阪駅にいたっては、三越伊勢丹を核とした北側に駅ビルを新設し、大丸のある南側の駅ビルも、駅のリニューアルに合わせて再開発されました。
JR東日本の東海道本線・辻堂駅(神奈川県藤沢市)に直結でできたテラスモール湘南、それ以前にできたラゾーナ・川崎(神奈川県川崎市)、武蔵野線・新三郷駅のららぽーと新三郷(埼玉県三郷市)、大阪では天王寺駅のあべのキューズモール(大阪市阿倍野区)などが駅前型で続々誕生して成功しています。
そして、この4月26日に東急文化会館跡地に新ビルでオープンした、渋谷駅直結の渋谷ヒカリエも大人気のようです。
郊外型の大型商業施設開発から、駅前型の新しい時代に入ってきたといわれています。
車を持たない世帯が増えている時代、都市部で独り暮らし世帯が約半数となった事実、高齢者の一人暮らしとご夫妻だけの世帯が増加してきたことなどから、郊外型GMSから駅隣接型にシフトせざるを得ない状況がそこにはあって、変化するのが自然なのかもしれません。

《顧客の変化》

『今、一番売れている携帯電話はなんでしょうか』という問いに対し、皆様は何とお答えになるでしょうか。
スマートフォンブームもあって、大半の人はi・PHONEとお答えになるようです。
ところが正解は、富士通のらくらくホンらしいのです。
人口のボリウムゾーンは団塊の世代以上の高齢化をしており、単体機種をカウントすると、らくらくホンになるとのことです。
そして、らくらくスマートフォンも近日に発売になると発表されています。
都市部といえば、コンビニエンスストアも健闘しています。
コンビニは、30代~40代の男性客が主軸で、その他若者層や、一人暮らしのサラリーマンやOLがメインターゲットとされてきました。
しかし、最近は高齢者や熟年世代の方たち向けの品ぞろえを強化して売上を伸ばしているそうです。
特にローソンは生鮮野菜の取り扱いを始め、一人暮らしや二人世帯で使いやすいように切り分けた野菜を多種類品ぞろえした野菜コーナーをつくって、今まであまり来店されなかった世代のお客様の来店が激増しているそうです。
そうやって、初めて来店された熟年層に喜ばれる、野菜以外の商品もピックアップして結果を出していると聞きます。
空洞化してしまった、近隣商店街や撤退した駅前百貨店の代わりの受け皿をコンビニが担っていこうとの考え方なのです。
さらにまた、動かなくても商品が届く、テレビショッピングやインターネットショップの発展によって、消費構造は大きく変貌しつつあると思うのです。
私達プロフェッショナル美容の業界は、製品群も技術形態もサービス内容も、若いお客様向けに偏り過ぎになっていて、熟年層対応が足りないのではないかとの指摘が以前からありました。
ファッション産業だから、若さを前面に出すのが当り前だとの主張もありました。
しかし、前述の通り顧客年齢層は確実に上がり、顧客志向も大きく変化をしています。
1950年代~生産側の志向…どんどん作ろう(物が無い時代)

1960年代~販売側の志向…とにかく売ろう(シェアの時代)

1970年代~顧客側の志向…選んで買おう(選別購入の時代)

1980年代~顧客満足への転換…売れるものを作ろう

1990年代~顧客価値への進展…顧客との継続的関係づくり

顧客志向→顧客満足→顧客価値創造の様に変化してきました。
このように変化をしてきた今、来店をしてもらってサービスを買っていただく時代から、繰り返し関係継続をして生涯顧客になっていただく時代に変化しています。
マーケティングは自らが変化して時代に適合することを求めていると考えますが、いかがでしょうか。

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