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M-press『怠け者の節句働き』 ― 商いの本質を考えてみましょう ―

2014年02月28日

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ふだん怠けている人が、お節句のような普通の人が休む時に限って働くことを、あざけっていうときに使うことわざです。

英語の表現では、『An afternoon famar』(=昼過ぎからの農夫)と使われるそうです。

農夫は早起きして早朝から土や植物と対話し丹精込めて仕事をして初めて収穫を得られます。

昼からスタートしては、結果が得られる仕事になりません。

さて、消費税の税率アップがあと一ヶ月程に迫ってきています。

『こんな準備をすべきだ』、『こんな表現方法に改めるべきだ』、『内税は外税に改めたほうが良い』、『買い溜めすべきだ』、『税率アップ前に特需がある』、『4月以降は数ヶ月間、大量買い込み後の反動売上げ減がある』…など、たくさんの論調が飛び交っています。

そんな話を見聞きするたびに、『どうしたらいいんだろう』、『何か対策を打たなければ』と、右往左往している人々も多いのではないかと思います。

美容プロフェッショナル業界の経営者の皆様の中にも、どのようにしたら良いのか迷っておられる方が多いのではではないかと想像いたします。

私見ではありますが、もっと大切で本質的な大事にしなければならない事があると思うのです。

確かに、一時的に高額品や日常必需品で大量使用していく必要のあるものなどで、税率アップ前の前倒し購入という現象はあると思います。

しかし、そこに振り回されすぎて、一時の売上げ増減に目を向けすぎると、一番根本的な大切な要素に目が向かなくなる危険性を小生は感じてしまうのです。

なぜこのようなことを申し上げるかというと、『How to消費税対策』といった一律にどのような事業者にも通用するような決まった法則などありえないと考えているからです。

為政者は、『アベノミクスでこのように改善する』とか、『株高で消費が上向きになり、企業も収益が改善し潤うので賃金が上がる』、『円安誘導で輸出が活発になり景気が上向く』といったような発信を繰返していきます。

しかし、こういった現象は万人に訪れる現象ではなくて一部の大企業や一部の業種、一部の富裕層やある種の資産をお持ちの方、輸出の売上げ割合の多い企業や業種…など、限られた一部の人々への恩恵であって、輸入のエネルギーを使って、輸入の原材料を使って加工したりする業種や企業にとっては、収益悪化となり価格に転嫁の値上げをしなければ経営危機になる場合すらもあると感じます。

食料品の輸入割合が高く、何から何まで石油加工品に依存する生活の我が国では、原材料の円安による輸入品高騰は深刻な経済問題となります。

つまりは、一律に誰でも恩恵が受けられるというようなお話などはありえないのに、そんな風に思い込ませてしまうのは非常に危険な気がします。

消費税アップについても同様で、一律にこうすれば良いといった方法がある訳も無いのに、こんな風に売れて、その後にはこんな風に萎(しぼ)むから、こんな対策を打つべきだという方法論や原則論ばかりが一人歩きしているような気がします。

そういった緊急対策がまったく効果が無いとは申しませんが、わらをも掴むといった思いで、考えも無くそういった方法論に安易に迎合して従っていくのは、危険だと思うのです。

アベノミクスの経済効果を黙って待っていただけで自店や自社の経営が好転する訳でもなく、他社追従の同じ方法を安易に選択することで自己のビジネスが上昇気流に乗るというのは極めてまれなケースで、同じ業種であったとしても一律の効果が上がるというのは幻想でしかないと思われるのです。

つまりは、すべてが自助努力であり、自分たちのビジネスの未来を他者や、政策に委ねることはできないと思うのです。

なぜなら、同じ業種でもお客様は同じでない以上、どのようなお客様と親密な関係をつくる努力をするか、どのようなお客さまに喜んでいただけるサービスを提供していくのかによって、店作りや企業指針は変わっていく必要があると思うのです。

我々の美容プロフェッショナル業界であれば、それらによってメニュー形態や営業科目も変わってくるもので、同じ業種であったとしても、同じ業態とは限らないものだとも思えます。

そのくらい、個人個人のニーズに応えたり、個人個人のウォンツを先回りして導き出して提案する必要のある世の中になっている時代にもかかわらず、皆が一斉に良くなる、投網をかけるような全体に良いようなマス施策などありえない時代に入っているにもかかわらず、頭を切り替えていないのではないかと思っているのです。

《独自性》

親しくなって長い間ファンとして、お店や企業に特別な親密感を感じてもらい続けていただけるお客様を獲得するためには、はっきりとした明確な特徴をお客様に認識していただく必要があります。

『あのお店じゃなければだめだ』、『あの人じゃなければだめだ』とお客様に思っていただくためには、他のお店とは違う何かを持っておかなければならないのです。

以前は競合他社という言葉をよく使いました。

いったい誰と競い合うのでしょうか。

同じ武器で同じお客様を奪い会う競合者との競い合いの時代は終わったと思います。

同じ内容のものを、サービス内容や価格で争い合うのは企業の寿命を縮めてしまう結果となるものでしょう。

多様化した嗜好や思考と志向で、ひとくくりにできない生き方の美学をお持ちになった時代のお客さまのうち、どういうお客様に来ていただきたいのか、どんな風に喜んでいただきたいのかを考えて、対応する営業科目や営業形態、営業内容を準備して、他店とは違う独自性を明確に出していくのが大切だと思います。

同業者と競争するのではなく、生活者を見てお客様を創造していくのです。

博報堂でテレビ企画のプロデュースに活躍し、その後著述家、セミナー講師、私塾の塾頭として活躍されている中谷彰宏氏は、以下の様な表現を使っています。『人と同じ方向に行く人は、 空車のタクシーの後ろを走る 空車のタクシーのようなものだ』…つまり、選んでもらいたければ、拾ってもらいたければ、人と同じ事をして安心していてはだめで、同じ方向に走るのではなくて、違う方向に走って目指すお客様を自ら探すか、見つけてもらえるように目立つかしかないということでしょう。
独自性が無ければお客様があなたのお店じゃなくちゃだめだって選び続ける理由がなくなってしまうのです。

《戦略》

以前は戦略や戦術って言葉も営業部門の会議やマーケティング用語として多用されていました。

では、いったい誰と戦うのでしょうかって議論になり、競合他社と同じもので比較しながら争ったとしても、戦いに勝ってお客様がこちらに来てくださった場合でも一時的なもので、自店に対して本当に魅力を感じなければ、また去っていってしまうことになります。

同業の他社と戦わないとしたらお客様を敵に見立てて戦うの?

勿論そんなことはあるはずがありません。

お客様と戦うとすれば、お客様の想像をはるかに超えた感動を与えるために、お客様に感動のサプライズを奇襲戦法するぐらいでしょうか。

お客様も、同業者も、自社内のライバルも、仕入れ元さんも、敵ではなく、共に感動を味わう同士であるということなのです。

『戦略』とは、『戦うことを略すこと』の意味で、戦わなくて済むように戦いを省き、省略していくことに他ならないのです。

省略して使っていく武器こそが、企業でも個人でも独自性だと考えています。

皆様ご存知のマーケッター、フィリップ・コトラーはひとつの業界や市場で対抗する企業を、王者(リーダー)、挑戦者(チャレンジャー)、後追い(フォロワー)、隙間狙い(ニッチャー)の四つにマーケティング分析で分類しました。

王者がその分野のトップシェア企業で、挑戦者はその座を狙う存在、王者のものまね品を安く売るのが後追い、少数派を掴むのが隙間狙いって分類です。

挑戦者は特徴ある商品を準備し王者との違いを明確化していく。

例えば、大手スーパーが強かった日用衣料品領域では、ユニクロが特徴あるフリースで一点突破し、形勢逆転して今や王者になり、そのあとのブームを作った格安ジーンズやヒートテック、そしてフリースの類似品を大手スーパーがさらに格安に作って逆に後追いに変身してユニクロを追撃するといった様相です。

ニッチャーとして郊外展開していたシマムラは、全国、そしてショッピングモールへの多店舗出店に打って出て、挑戦者に変身してきたようです。

専攻していたメガネチェーン店のつば競合いに、隙間狙いとして参入したJINSが、着せ替えファッション、視力が悪くない方の気軽なメガネファション、パソコン対応、わかり易い料金設定や直ぐに持ち帰れる利便性などで挑戦者として成功し、先行大手チェーン店たちをごぼう抜きして王者となり、逆に先輩チェーンたちが後追い者として、方法を真似し始めています。

ニッチャーとしてボウリングアミューズメント複合施設形態で出発したラウンドワンは、今やボウリング場分野では図抜けた王者になって君臨しています。

この分類枠組みは、リーダーが市場の40%、チャレンジャーが30%、フォロワーが20%、ニッチャーが10%程度のシェアを持っているときに典型的にこの四分類の企業分布が現れ、活動が活発化するとのことです。

特徴を打ち出し独自性を知らしめ、愛され続ける店作りのすることこそが根本的緊急課題だと思いますが、いかがでしょうか。

ビューティ-クリエータ-のための情報誌   No.204 マックス企画室

kotler

 

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