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M-press『来年の事を言えば鬼が笑う』 ― 一年を振り返って思うこと ―

2013年12月28日

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人の運命を支配するのが鬼だと言われた時代があったようです。

予知能力のある鬼は、来年の話をする人間を見て、「明日のことすら分からぬくせに」と笑い飛ばしたと言い伝えられました。

「笑う」は馬鹿にする意味だそうで、『京都いろはがるた』にこのことわざは入っています。

予測できない来年のことを言うと、人の運命を支配する鬼が馬鹿にしますよという意味から、『将来のことはどうなるかわからないのに、ああだこうだいうのは、ばからしい』ということ、そして『将来のことは予測できないということ』の意味で使われることわざです。

英語では、『Fools set far trysts.』(=愚か者は遠い先の会合の約束をする)、『The devil laughs at well‐laid plans.』(=悪魔はうまい計画を笑う)と表現します。

今回は、一年の最終号ですので、例年通りに一年を振り返ってみたいと思います。

そして、鬼に笑われるのを覚悟の上で、大胆不敵に来年のことも語ってみたいと思います。

《論より証拠》

物事を明らかにするには、あれこれと議論するよりも、具体的な証拠を示す方が正確で早いということをいったことわざです。

江戸系いろはがるたの一つです。刑事訴訟法にも、「事実の認定は証拠によらなくてはならない」旨の明文があるそうです。

英語のことわざでは、『The proof of the pudding  is in the eating.』(=プリンの味は食べてみなければわからない)というものがあります。

『Evidence、not discusson.』(=議論よりも証拠)というダイレクトな慣用句も使うそうで、日本語のことわざとまったく同じなのが、面白いところです。

日本経済新聞社がまとめている『ヒット商品番付』の2014年度版が先頃発表になりました。

東の横綱は、セブンイレブンの一杯100円の入れたてコーヒー『セブンカフェ』で、発売9ヶ月でなんと累計2億杯を達成、年間4億5000万杯を見込んでいる大ヒットとなりました。

100円の単品で4億5000万円売上も凄いですが、国民一人当たり4杯も凄いと思います。

決め手は、100円とは思えない品質で、目の前で一杯ごとにマシンが豆を削り、アートディレクター佐藤可士和氏デザインのカップもおしゃれで上質感にあふれています。

伝統のスイス製高級腕時計ロレックスが東の小結に入りました。

高島屋では1月から11月までの同ブランドの売上高が、前年同期比約8割増になったとの話。

その他、オランダ・フィリップス社の油なしで揚げ物を作れる調理家電・ノンフライヤーが目標の4倍の20万台、布団のダニ捕り専用クリーナー・レイコップが去年の2月発売以来の累計で75万台、セブンイレブンとイトーヨーカドーで販売された高級食パン『セブンゴールド・金の食パン』が発売後約4ヶ月で1500万食を突破、アサヒビールのギフト専用の高級ビール・ドライプレミアムがお中元の時期に計画の2.7倍の189万セットを記録するなど、『上質』をキーワードにするものが、前頭の番付に並びました。

また、JR九州が10月から運行開始した豪華寝台列車『ななつ星in九州』は、来年6月までの予約の抽選倍率が7倍を超えており、高額料金にもかかわらず大人気で、前頭番付です。

いずれもアベノミクスによる高級品の消費増の受け皿になっているようです。

バブルの絶頂期に流行った『バブルファッション』も復活し、前頭に入っています。

カーディガンなどを肩にかけて結ぶ『プロデューサー巻き』の人気が再燃し、『ボディコンシャス=ボディコン』も流行りだしているとのことです。

もしかしたら、当時ボディコンとコンビネーションで流行ったワンレングスのヘアスタイルも復活傾向なのかもしれません。

バブル期の景気再来を夢として思い描いているとしたら、当時のノスタルジックなファッションをアレンジしながら、回帰する傾向もあるのかもしれません。

しかし、ただ高いだけでは勿論だめで、独自性や個性、特異性や希少価値などを持った上質感が必要なのだと思います。

そして、ただ安ければよいという時代は既に終わっていると肝に銘じておききたいものです。

《勝ち馬に乗る》

「勝ち馬に乗る」という言葉は、国語辞典にも、故事ことわざ辞典にも載っていないようです。意味合いは、「長いものに巻かれろ」に近いようにもみえますが、「長いものに巻かれろ」は、権力者に逆らうなという意味合いが強いので、少し違うようです。「勝ち馬に乗る」は、最も勝ちやすい強い馬に乗れば勝てる確率が高くなるって意味から、優勢側につくとか、時流に乗る、便乗するといったような意味で、語源は英語の慣用句だそうです。それは、『Jump on the bandwagon.』(=音楽隊の馬車に飛び乗る)というものだということです。

昔、アメリカでは、選挙の立候補者は馬車に乗って宣伝したそうで、そのとき音楽隊を馬車に乗せて演奏させたとのことです。市民は人気のある候補者の馬車に飛び乗って、支持を表明したことから、バンドワゴン(音楽隊馬車)に飛び乗ったのです。

人気のある候補者に次々と相乗りしていく人たちを見て、自分も乗らないと取り残される、みんながやるので自分もやるといった心理が生まれてきてブームになっていく、そんな意味がこめられた慣用句なのです。

この慣用句から派生して、マーケティング用語として有名になったのが、アメリカの経済学者、ハーヴェイ・ライベンシュタイン(Harvey ・Leibenstein)が提唱した、バンドワゴン効果』(Bandwagon Effects)です。

バンドワゴン効果とは、ある製品・サービスを支持する人が多ければ多いほど、顧客がその製品・サービスによって得る満足・安心感が増加する効果のことをいいます。

また、流行しているという空気

を醸成することによって、その製品・サービスへの支持は一層強くなることをいいます。

政治学では、マスメディア等の選挙予測報道等で優勢とされた候補者に、有権者の投票が集まる傾向にある現象を指します。

反対に劣勢の方に同情票が集まる現象をアンダードッグ(負け犬)効果と呼ぶそうで、両方を合わせて最近はアナウンス効果とも呼ばんでいるようです。

皆様も、「今話題の商品!」「ロングセラー商品」「当店人気No.1」などの表示を目にし、思わず商品を手にしたご経験があるのではないでしょうか。

友達の間で流行っている、会社の人が皆使っている…という理由で商品やサービスを選択したり、雑誌やテレビで「流行」と言われているファッションに身を包んだり、また、行列のできるお店に思わず並んでしまったりしたご経験もあるでしょう。

このように、ある製品・サービスに対する需要が大きいほど、個々人のその製品・サービスに対する需要も大きくなる現象をバンドワゴン効果と言い、この心理の背景には、「個人の判断よりも集団の判断が正しい」という『思い込み』があると考えられています。

今年のビッグニュースには、『2020年の東京五輪招致決定』や、『富士山の世界遺産登録決定』がありましたが、ヒット商品番付でも、西小結に『東京の湾岸マンション』が入りました。

これは、東京五輪の選手村や競技場がそのエリアに大部分が建設されるために、マンションが人気沸騰し、申し込み倍率が4倍以上となり、価格が高騰したとのことです。

東の前頭筆頭に『富士山』が番付され、世界遺産報道以来登山者や旅行者が急増したとのこと。

さらに、西前頭筆頭の『式年遷都』は、伊勢神宮の20年に一度のご神体移動で、伊勢神宮参拝者が年1000万人を突破。

これらは、ブームに乗らねばとのバンドワゴンの典型の様です。また、もしかしたら、自民党の参院議員選挙圧勝もバンドワゴン効果の影響もある気がします。

《わが道を行く》

今年の世相を表す漢字は、「輪」(わ/りん)に決定しました。

日本人は良く言えば『和』と『輪』を重視する協調型思考ですが、悪い言葉を使うと、流されやすい体制迎合型と言われています。

つまり、日本ではバンドワゴン効果によるブームが起こりやすいといわれてきました。

しかし、モノのない時代から豊かな時代を経験し、ほとんどのモノが家に揃っている時代となり、個人の好みや思考を情報発信できるインターネット成熟時代となった今、「皆が持っている&使っている」という安心感を多少は持ち続けているにせよ、昔のようなマスマーケティングによる大ブーム沸騰は起りにくいのではないかと思っています。

むしろ、自分だけの希少価値や独自性、個性等を重要視されて、自らの心が満たされたいと思っているのではないでしょうか。

バンドワゴン現象を主張したライベンシュタインは、同じ論文の中で、バンドワゴン効果とは逆に「多くの人の需要がある場合、個々人のその製品・サービスへの需要が小さくなる現象」、つまり「同じような製品が氾濫し、他人とは違うものを持ちたくなる現象」を『スノッブ効果』として発表しました。

つまり、『アンチ巨人』や『アンチ阪神』のような現象です。

また「製品の価格が高まれば高まるほど、個々人のその製品・サービスへの満足度が高まる」現象を『ヴェブレン効果』として発表、これは高価なブランド製品が売れる現象は、このヴェブレン効果として説明されます。

最初にお話した高級品が売れた現象はこういった心理が原因。

顧客の消費欲求が「外部要因」によって左右される代表的現象が、『バンドワゴン効果=流行性』『スノッブ効果=希少性、差別化』『ヴェブレン効果=プレミアム感、高価なもの』の三つで説明できます。
昔からあるタイ焼きが、お腹のあんこがカスタードクリームや抹茶になったり、アイスクリームになったりして、大ヒットしたお店があります。

また、サイズを小さくして、一口サイズにすることによって、お腹が一杯の人が居ても、みんなで一緒に全員が食べられるようになって、楽しさ倍増したなんてこともあります。

お客様のニーズを聞くのでは無く、お客様の潜在的なウォンツを探って、小さな変化や改善による個人的サプライズ対応をしていく事が鍵を握ると思います。

希少性、独自性、プレミアム感を個人レベルで出すのが大変重要なポイントであると言えます。

「消費者の間の口コミでいかに語られるか」が重要と思います。

中でも、実際の「友達」の間で「流行している」「貴重なものとして評価される」ことは、消費者の意思決定に大きな影響を及ぼすと考えています。

2011年のニールセン調査によれば、テレビ広告を信頼すると答えた人は全体の47%にとどまった一方で、知人からのお勧めを信頼すると答えた人は92%にも上ったそうです。

消費者の「情報」に対する向き合い方が従来とは大きく変わってきており、態勢迎合的な大きなブームに乗ることの可能性がより減ってきていると思います。

逆に、自分が本当に良いと思ったり、快適だったりする状態を重視し、情報を信頼できる人からの口コミを集めた後に、行動に移す目的で、インターネットを駆使していくという傾向が強くなっていると感じています。

こういった消費心理や消費行動の変化は、来年はますます顕著になってくると考えています。

皆がやっているから、ヒットしているからやるのでは埋没してしまい、反対に特徴のある独自性こそが喜ばれてくると思っていますが、いかがでしょうか。

今年一年間も、ご愛読いただきましてありがとうございました。

ビューティ-クリエータ-のための情報誌   No.203 マックス企画室

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