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M-press『試金石(しきんせき)』 ― 楽しさが人の行動動機 

2014年06月03日

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試金石とは、『物事の値打ちや人の能力などを実際に試す事がら』を示す言葉です。

試金石の意味の由来は、金や銀の純度を判定する石を試金石と呼んだ事からです。

黒色の硬い石で、『かねつけ石』とも『つけ石』とも呼ばれるものだそうです。

この石に金銀をこすりつけ、石の表面の筋の色で純度を判定していたとの事です。

英語では、『a touchstone』と呼ぶそうで、国際的に同じ方法で金銀純度判定をしていたそうです。

恥ずかしながら、半世紀以上生きてきた小生ですが、『試金石』ではなくて、『至近席』と、間違った思い込みをしていて、50年以上勘違いを続けていました。

さて、世界で最大の人が見て最大の観客動員をして、参加国が一番多いスポーツイベントであるサッカーのワールドカップ・ブラジル大会の開幕が、いよいよ近づいてきました。

小生の大好きなスポーツネタを久しぶりにたっぷりと書かせていただきながら、能力を発揮する集団力ついて考えてみたいと思います。

ところで、新年度スタートの4月に新天地に新しい仕事を求めた皆様も約2ヶ月が経過したかと思います。

新卒ルーキーの人達は、将来性や潜在的能力を見込まれ、長期間で育成する目的なので、今できることに精一杯打ち込むことを期待されていることでしょう。

一方で、経験豊富な人材として移籍されてきた人々は、スポーツの世界でも企業の中でも、即戦力としてのスキルや経験を新天地の組織の中でも、期待されて従事されていることと思います。

2ヶ月が経過すると、期待以上の働きができているのだろうか、期待通りの働きなのか、期待値に達しない働きしかできていないのか、文字通りの試金石に乗せられて、判定されている時期なのかと思います。

《正念場》

正念場とは、人がその真価を発揮するべき、ここぞという重要な場面、局面のことをいいます。

歌舞伎や浄瑠璃で、主人公がその役柄の真髄を表現する一番重要な場面のことを正念場と呼ぶそうで、それが一般的に使われるようになったそうです。

英語の表現ですと、クライマックスが近いのでしょうが、頂点とか最高潮、緊張した場面…などと訳されるようなので、真髄を表現する局面の正念場とはニュアンスが少し違う気がします。

各国の代表に選出された選手にとっては、ワールドカップは正に正念場、幼い頃から夢見てきた大舞台でもあり、これからの自己の人生を決定付ける自己表現と自己実現の大切なチャンスの場でもあり、国家を代表する人としてのプライドもかけた大仕事ともいえます。

本大会での活躍で、欧州のビッグクラブからオファーを受けて移籍し、国際的な名選手として名誉や報酬を得たり、引退後は自国の大臣になったりするような劇的に人生を変えていく選手が出てきた歴史もあります。

一方では、不本意な働きや失敗で敗戦してしまい、自国へ帰った後に熱狂的ファンに暗殺されてしまうという悲惨な事件もありました。

代表選手にとっては、天王山を迎えていると思います。

《天王山》

天王山は京都府南部の大阪との府境に位置する山です、

織田信長が本能寺の変で没した後、その家臣同士の羽柴秀吉と明智光秀が京都の山崎で戦った際に、この山を占領できるかどうかが鍵となり、この山を占拠した秀吉が勝利した史実から、『勝敗の分かれ目となるきわめて重要な時や場所のこと』を天王山と呼ぶようになりました。

また、『天下分け目の関が原』という表現も同じ意味で、天王山より後の時代、秀吉が天下統一を果たした後没し、豊臣方と徳川方の西軍と東軍が天下を賭けて岐阜県関が原で戦った戦からできたことわざです。

さて、サッカーは世界で一番多くの人がプレーする競技で競技人口は二億五千万人以上の男子登録選手にも上り、世界の津々浦々まで浸透しているスポーツです。

次がクリケットだそうですが、発祥国の英国の他は、大英帝国が植民地化政策を進めたエリアのインドやパキスタン、旧大英連邦所属の国々のオーストラリアやニュージーランド、カナダなどのエリアに競技人口は集中しているようです。

三位のバスケットは、女子競技人口も合わせると世界で4億5千万人にもなって、

男女合計競技人口ではサッカーを上回るといわれます。

以下、4位がテニスで、ここまでが競技人口一億以上、5位モータースポーツ、6位競馬、7位野球、8位陸上、9位ゴルフ、10位ボクシングと続きます。

ちなみに、日本で実施人口の多いスポーツでは、ウォーキング、ボウリング、水泳、ゴルフの順だそうです。

さて、そんな世界で一番のメジャースポーツのサッカーですが、日本では長い間マイナースポーツとして不遇の時期を経ており、今でこそ5大会連続のW杯出場となって、出場が当たり前のように感じますが、初参戦の1958年スイス大会の予選から、1994年アメリカ大会の予選までの、実に12大会=足掛け48年間もアジア予選を突破できずにいました。

カズ、ラモス、高木、井原、中山、武田らを擁しアジアカップを制し、過去最強と呼び声が高かったハンス・オフト監督率いる日本代表が、アメリカ大会のアジア最終予選の最終試合のロスタイムでイラクに失点して引き分けて、天国から地獄に引き落とされたいわゆる『ドーハの悲劇』の時には、W杯の本大会出場は生きているうちに見られないのかとすら思ったほどです。

そして、次のフランス大会では、アジア最終予選でももつれにもつれ、第三代表決定のアジアプレーオフの延長戦でイランに逆転勝利し(ジョホールバルの歓喜)、初めて本大会に進みます。

そして、五大会目の今大会、史上最強ともいわれる日本代表チームがどこまで通用するのかが試されます。

試金石でも、正念場でもない、天王山を迎えています。

《土壇場》

土壇場とは、罪人の首を切るために築いた土の壇のことをいうそうです。

死に直面した最後の最後の局面で、逆転も含めて決着が付く瞬間を意味する言葉となり、進退きわまった状況のことや、ある事の決着がつこうとする最後の瞬間や場面を土壇場と使います。

サッカーは、野球やアメリカンフットボールと異なり、攻守の順番がはっきりしたスポーツではありません。ボールを持っている人が王様のスポーツといわれます。ボールを保持しているチーム以外は得点できないスポーツなのです。

相手からボールを奪うために、組織的に守り、組織的に奪ったら、組織的にボールをゴールに運んでいく、そんなイメージなのです。

もちろん、ひとりでボールを奪い、ひとりでボールを運び、ひとりでゴールを決めることも可能なのですが、何しろ相手も11人もいるのですから、相手のミスでもあって、ゴール近くで運良くマイボールにでもするか、フリーキックやペナルティキックを直接ゴールに入れるかでもない限り、独力でゴールすることは極めて稀なことなのです。

ですから極めて組織的で、役割分担や決め事をして、戦術を練り上げたスポーツで、企業組織同様なのです。

しかし、ひとつひとつの局面では極めて個人的なスキルで勝負して、個人のインスピレーションや判断も要求され、それによって展開が大きく異なり、ピッチ上の選手たちの判断や連携に展開が左右されて、監督はいざ試合が始まると、ピッチ外で声をだしたり、三人の選手を交代させたりするより他に直接手を加えることができないのです。

陣形のシステムの4・3・3とか、4・4・2、3・5・2といったものは、そういった組織的役割分担&戦術の約束事を、キーパーを除いた10人をディフェンス(DF)・ミッドフィルダー(MF)・フォワード(FW)の順に人数を並べた暗号のようなものです。

歴史的にも陣形の流行り廃れもあり、大きく戦術も変わって来ているようです。

ミッドフィルダーは、以前はハーフと呼ばれることが多く、守備的なディフェンシブハーフと、攻撃的なオフェンシブハーフ(アタッカー)とに分けられる陣形が一般的でした。

センターハーフと呼ぶフォワードの後ろの真ん中で攻守の組み立てをする人と、サイドハーフと呼ぶ両サイドのハーフがいる三人がハーフを構成し、組み立てをするセンターハーフは、この人を経由してディフェンスからフォワードまでボールをつなぐ意味で、リンクマンとも呼ばれました。

最前線はセンターフォワードと呼ぶ中央の点取り屋と、

サイドに翼のように張り出して攻撃をしかけて、直接切れ込んでシュートを狙ったりセンタリング(両サイドからセンターへの最終パス)を出したりするウィングフォワードの両サイド2名を置く三名体制が、以前は一番多い形でした。

現在は、センタリングもクロス(クロスパス)と呼ぶように変わりました。

センターフォワードも一名より二名の方が得点力も増すとの考えで、ツートップという仕組みができ、さらにその二名を縦に並べてトッブ下や1.5列アタッカーと呼ばれるドリブル仕掛けや縦のスルーパス、最前線を入れ替わりで追い抜いて相手ディフェンス裏に走りこむ戦術も生まれました。

キャプテン翼や中田英寿、中村俊介のような10番背番号のプレーヤーです。

ディフェンスではセンターバックを一名ストッパーとして相手センターフォワードを食い止める役として置き、その両脇をサイドバックが固め、その三人の後方でスイーパー(掃除人)が突破されたあとの最終の守りをしていました。

そのスイーパーが守るだけではもったいないので、自由に動いて攻撃できるようにしたのがリベロ(自由人)というポジションで、リベロを始めから最終ディフェンスラインの前の守備的ミッドフィルダーの位置に置いたのをアンカー(いかり)と呼ぶようになりました。

守備的ミッドフィルダーのこともボランチと呼ぶようにもなりました。

ポルトガル語で自動車のハンドルの意味で、深い底の位置からゲームを組み立てる人の意味し、遠藤、長谷部両選手のポジションです。

日本以外ではブラジルなどの一部のサッカー通しか使わない言葉のようです。

ボランチが二人の場合をドイスボランチと呼びます。

ダブルボランチとも呼ぶのは日本だけのようです。

このように、時代とともに陣形は変わってきています。

《真骨頂》

真骨頂は本来持っている真の姿や様子、真価の事です。

骨頂は骨張=意地を張る…から転じて当て字になったようで、最上級の意味です。

さて、日本はパスサッカー主体で組織的と言われます。

日本のサッカーの父と呼ばれるドイツ人のデットマール・クラマーがサッカー後進国の日本に東京オリンピック前から基礎を植え付け、日本リーグ、海外派遣、少年期からの全国トレセン制度の仕組みをつくり、オランダ人オフト、ブラジル人ファルカン、ジーコ、フランス人トルシエ、ユーゴ連邦のオシム、イタリア人ザッケローニと先進国の良いところを学んできました。

世界各国のサッカーを学び融合させた独自のスタイルのサッカーが現在の日本の真骨頂なのです。

このサッカーがどこまで世界に通用するか見ものです。

弊社も含め、皆様の職場も時代を見てシステム変更を重ね、個性や技術を活かし切るようにできるかが、経営者の真骨頂なのでしょう。

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ビューティ-クリエータ-のための情報誌   No.208 マックス企画室