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『温故知新』 ― 新しい時代の息吹を感じよう ―

2011年06月20日

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温故知新は中国の古典・論語に載っていたものが諺として定着したものです。
「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」意味の諺です。
過去のことをよく研究して学び、そこから現代に通じる新しい知識や意義を改めて見つけ、得ていこうという諺です。
英語では、「He that would know what shall be must consider what has been.」(未来の事態を知りたいのなら過去のいきさつを考察するべきだ)と表現されるようです。
消費者の動向や指向、行動といったものは常に変化するものといわれます。
毎年少しずつの変化のように見えても、数年後に気がついてみると、結果的に大きく変わっていたんだと感じることもよくあることです。
また今回の様な広域に渡る大災害の直後ともなると、大きな消費行動の変化や産業構造の変化が起こるのは当然とも思えます。
しかし、これは災害が起こったから出始めたものとばかりともいえず、むしろそれ以前からその微候は静かに始まっており、それが災害後に一気に加走して顕著となって、社会現象化するほど現れてくるといったものではないでしょうか。
震災の3月11日を境に、「日本は変わらねばならない」と多くの人が感じ、「自分には何ができるのだろうか」と自問して、議論を交わしてきました。
今回は震災後に変化してきている社会動向と消費者意識について考えていこうと思います。

《リバイバル》

リバイバル(revival)は映画や演劇の再上映(上演)、音楽の再ヒットなどで良く耳にする言葉です。
re(再び)vival(生きる、元気づける)といった意味の言葉の組合せですので、「回復」「復興」「復活」といった主旨を指します。
日本では音楽や映画で使われることが多いのですが、今回の災害復興を英語で表現すると、この単語が一番使われることが多いとの話です。
さて、福島の原子力発電所の事故によって日本のエネルギー行政ばかりでなく、世界各国の原子力政策も大きな影響を受けて、エネルギー政策の転換を決定する国が増加してきている様です。
東京電力管内エリアの節電ばかりでなく、静岡県浜岡原発の停止と廃炉化の決定による中部電力からの節電要請が続き、影響は余りないであろうといわれていた関西電力管内のエリアでも、この夏の15%の節電要請が出て、産業界ではこの節電に協力していく動きとなってきました。
戦後の復興期に電力需要が大幅に増加していく中、山と水に恵まれた日本は数多くの水力発電所をつくって対応していました。
高度成長期に入ると、山中にダムをつくり送電線で都心部まで運ぶコストよりも、都市部近郊の埋め立て地に火力発電所をつくり、電力供給した方が安価で、かつ高度成長に追い付くスピードで増産できる理由で、火力発電所が主流になっていきました。
その時点で既に石炭は採掘コストや移動コストがかかる上にエネルギー効率が悪いとされ、安価で中東から入るようになっていた石油が、火力発電エネルギーの中心となっていました。
こうして高度成長期に電力エネルギーが増加するのは止むを得ないもの、そして文化的生活や近代国家は電気を大量に使うのは当たり前のような意識もつくられていったように感じます。
そんな中1973~4年に第一次オイルショックが起こります。
電気や石油はいくらでも供給されると勘違いしかけていた日本の人々には衝撃的出来事でした。
ガソリンスタンドは全て日曜休業となり(この時代は土曜日休みはほとんど無かった)、ネオンサインの禁止令、テレビの深夜の放送の中止、プロ野球のナイターの一時間繰り上げ、減灯、デーゲームを増やす、エスカレーターを止める、などの他、現在は全て開通している3本の本四連絡橋の工事着工の延期などの素早い措置が取られたのです。
ですから、今回の節電対策と同様かそれ以上のものは、過去に既に経験済みの方も多いのです。
おそらく、40代半ば以上の方は第一次、40代前半の方は第二次オイルショックは、記憶のどこかに残っているのではないかと思います。
当然、その頃は現在の40代の方は子供だったので親の世代の指導で節電をした筈なのですが、当時は戦前・戦中・戦後すぐの物の無い時代を経験してきている上、「もったいない」という無駄にしない概念を教育で植えつけられた人達が多い時代なので、エネルギー節約は上手くいったのではないでしょうか。
つまり、「エネルギーを使い放題で便利さを追求して我慢しない世の中はどこか間違っている」という思いを当時の人々は持っていたのではないかと思います。

《リユース》

安価で供給され続けると信じていた原油が、オイルショックで高騰し、経済混乱を招いた日本政府はエネルギー政策の転換を図ります。
時間とコストがかかって、自然破壊といわれる水力発電に戻らずに、原子力発電所によるエネルギー政策への転換です。
安全性を疑問視する議論も勿論ありましたが、原油相場の不安定な状況になった場合の危機対応と、国際競争力を保つ為のエネルギーコストと建設までのスピードを理由にして、手厚い補助金や税金優遇を計る等の政策で原発を地方にもっていき、原発転換を強力推進してきました。
使用済み核燃料の処理の安全性への疑問については、再処理施設を青森県の六ヶ所村に造り、世界最高峰の安全処理の仕組みを構築するといってきました。
リユース(reuse)とは再使用、再利用ということばです。
捨ててしまっていたようなものを捨てずに再利用して活かしていくということです。
この夏の節電は冷房設定温度を28℃標準にと指導されます。
そこで、俄然脚光を浴びて来ているのが扇風機です。
少し前には健康的でおしゃれな、ファンが無いタイプが持てはやされていましたが、現段階ではファン付の安価なものが売れたり、しばらく物置で眠っていたものが復活し始めている様です。
震災直後にも、計画停電の影響もありファンヒーターが休業となって、旧型のシンプルな石油ストーブが物置から日の目を見たと聞きます。
電池式のトランジスタラジオも何年振りかで使われた方も多いのではないでしょうか。
昔、使っていたものを活かし、新しい息吹きを与えて、リユースするのがおしゃれな時代なのかも知れません。
勿論、その際新しい何かを伝え、良さを引き出すことも必要です。
人材に対しても同じことがいえるのではないかと思います。
リユースは、時代の要請になってきていると思います。

《リサイクル》

リサイクル(recycle)も訳すとリユース同様に再利用となりますが、リサイクルは「廃物」を「再生」利用するところがリユースと違います。
cycleは輪のサークルと同じ語源で、「周期」や「循環」のことを指します。
自転車やオートバイの他、周波数や長年月の意味もあります。
リサイクルは甦らせて再循環させる意味でしょうが、長年月をかけて廃品を再生使用し続けるということなのでしょう。
最近では、傷んだ和服を再生使用して、エプロンやのれんを作ったり、携帯電話に使用したレアアース(レアメタル)を再生使用したりなど、このリサイクルの分野も拡がってきています。
もちろん古くはビールビンや牛乳ビン、紙パックや新聞紙などの紙製品、アルミ缶、スチール缶など金属類、プラスチックなどの石油精製品など、幅広いリサイクル技術が使われています。
リサイクルの難点は、新しく加工するより再生利用する場合のコストの方が高くなってしまうケースが多いことです。
しかし、地球資源の保全の立場から、コストがかかっても、リサイクルしていこう、再生品を高くても買おうという意識が着実に高まってきています。
エコロジー(環境配慮)があれば、必ずしもエコノミー(経済的)でなくても良いという意識かも知れません。
昭和30年代ぐらいまでは「量り売り」という、容器は消費者持参で、必要な分だけ販売してもらえるものが多くありました。
一昨年あたりから美容室でも、お気に入りシャンプーの量り売りも見かけるようになりましたし、容器再利用でのレフィル(詰替え)化粧品の出荷割合が増えている事実もあります。
消費者の指向はきらびやかな容器やパッケージ、可愛いデザインのものに魅力は感じつつも、いざ購入決定段階になると、地球環境に優しいものを選別する割合が高くなってきているという事実もあるのです。

《リニューアル》

re(更に、再度)、newal(新しくすること)が複合してきた単語です。
更新、再開、やり直し、新しくした物の意味で使われています。
前述の扇風機の他にも、リニューアルされて、大ヒットしつつあるものが多数あります。
酷暑に弱冷房で過ごす為のクールビズも、今年はパワーアップのリニューアルの一種で「ス―パークールビズ」と呼ばれます。
今夏、大ヒットの兆しを見せてきているのが「ステテコ」です。
ステテコを履くのは、ファッションに縁のなさそうな高齢男性で、オッサンの代名詞の様に思われていましたが、決してそうではありません。
カラフルでデザイン豊富なものが、現在は大量に陳列されて、大ブレイクしているのです。
夏場はスラックスの中で汗をかき、太ももやすねにまとわり付く嫌な思いをしがちです。
新素材を駆使したステテコは、汗を吸収しながら、サラッとした肌ざわりを維持し、体感温度を下げながら、スラックスへの肌のまとわり付きを防止します。
ファッショナブルなデザインなので、若者が室着としても使用でき、各種新素材の斬新さも受けて、女性用も多数発売されるようになりました。
冬から春にかけては、女性向けのストールやショール、スカーフといったものも、古さを感じさせないデザインと素材でリニューアルされ、大ヒットしていたようです。
パナマ帽やハンティング帽、ベレー帽なども新素材、新デザインでリニューアルヒットをして来ているようです。
近年、我々のサロンビジネス業界は、商品寿命が非常に短い業界といわれてきていました。
ファッション産業ということで、新しいものを探求するという目的があったのかも知れません。
また、新成分を導入して、仕上がり感を良くしたり、髪の傷みを防いだりという目的もあったかも知れません。
しかし、製品の作り手であるメーカーの一方的な政策都合によって、商品ブランドの長期継続を妨げてきた部分もあるかも知れないのです。
また、技術者マインドが飽きを感じてしまい、消費者が継続使用を望んでいるものを、サロン都合で、新しいものに差し換えてしまっている場合もあるとも感じます。
例えば、花王メリットシャンプーは、1970年の発売から40年以上、日本リーバのラックスは、1987年から20年以上等、シャンプーだけに限っても、リニューアルしながらブランドとして成長し、中心商品として君臨し続けています。
世の中は、エコマインドに基づく、リバイバル、リユース、リサイクル、リニューアルの時代となっています。
私達の業界もこの傾向を意識してリストラクチャー(再構築)しなければならない時期と思いますが、いかがでしょうか。

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