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『切磋琢磨』 ― 一年を振り返って思うこと ―

2011年12月20日

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今年最後のコラムとなりました。
一年間、長い文面にお付き合いをいただきまして、ありがとうございました。
今号では、一年間一番申し上げたかった点をまとめてみたいと思います。
タイトルの諺ですが、中国最古の詩集「詩経」に載っている言葉だそうです。
「切」は、骨を切ったり尖らせたりすること。
「磋」は、象牙を削ったりみがいたりすること。
「琢」は、玉(美しい石)をノミで削ること。
「磨」は、石をみがくこと。
…いずれも硬い素材を加工する方法で、これを人間の修養にたとえた諺です。
意味は、①懸命に努力し勉励すること・研鑽を積むこと・修養、修練によって向上すること。
②志をひとつにする仲間どうしが、互いに励まし合い競い合って向上すること。
どちらかといえば、近年は②の意味で用いられることが多いと思います。
いずれにしても、私達ビューティサロンビジネスの世界は、この諺の意味の通り、学問・技芸・道徳などを練りみがくことに直結していると思っています。
知識とテクニック、そして人としての成長という三つが必要だと思うのです。
その為になにが必要なのかを考えながら、当コラムでは一年間書いてきたつもりです。

《人は人によって磨かれる》

講演会や人材育成のセミナーなどで良く耳にする言葉です。
企業研修やコーチング、講演会等で幅広く活動されている上田比呂志氏が、今年10月に発刊した著作『ディズニーと三越で学んできた日本人にしかできない「気づかい」の習慣』(クロスメディア・パブリッシング刊)の中で、この言葉をディズニーの精神の柱として語っています。
上田氏は料亭の息子さんとして育ち三越に入社、企画や店舗開発をしたのちに三越からフロリダのディズニーワールドに派遣されディズニーウェイを勉強して三越に戻り、その後米国ディズニーで250名のスタッフ養成をされたそうです。
ダイヤモンドの原石は硬いのでダイヤモンドでしか輝かせることができず、それと同じように人は人でしか磨けないという意味の主張です。
10年前の2001年に三浦綾子さんが致知出版より出版された著作に『人は人によって輝く』もあります。
中国の古い漢詩から残った諺では、『君と一夕話(せきわ)、読むに勝る十年の書』というのがあるそうです。
十年間読書で勉強するよりも君子(優れた人)と一晩話した方が良いという意味の諺です。
素晴らしいたくさんの人々との出会いの中からたくさんのことを学ばせていただく、これこそが正に人は人によってのみ磨かれるということだと思います。
サロンビューティビジネスの世界の醍醐味は、こういった多くの人との触れ合いの中で自分が磨かれて、成熟した人間として大きく成長できるといったことなのだと思います。
厳しい社会情勢になればなる程、私達の業界は人の触れ合いを通して成長できる素晴らしい仕事になると申し上げたいのです。

《棚から牡丹餅》

思いがけない幸運が労せずして転がり込んでくるたとえで使われる諺です。
棚の下に寝転んでいたら牡丹餅が落ちてきて、たまたま空いていた口に上手い具合にストンと落ちるという都合のいい話をネタにした諺です。
略してタナボタとも言います。
英語では、『He thinks that roasted larks will fall into his mouth.』(焼いたひばりの肉が口の中に落っこちてくると彼は思っている)と表現されます。
一見ラッキーとしか思えないような諺ですが、とりようによっては棚の下に行って寝転ぶアクションがあったからこそタナボタになれたとも思えます。
状況察知能力や、近未来を予知予測する能力、さらに言えば牡丹餅が落ちてくるように誘導する能力が現代の経営では不可欠ではないかと考えるのです。
そんな、時代を読んで先取りする力と、変えていく柔軟性の大切さを一年間語ってきました。
現在、トヨタがドラえもんの実写版のTVCMを放映中です。
CMの最後にのびたが免許を取るんだと決意を口にします。
トヨタのCMであるにもかかわらず車を紹介して売り込むのではなく、『免許をもって車に乗ることができないと、愛しのしずかちゃんをスネ夫に取られてしまうぞ』と免許取得を若者に訴えかけています。
日本の若者の車離れは凄まじいものだそうで、新成人免許取得が5割を切っているとの話で、20代男性全体で8割を切っているのではないかとの噂です。
まして若者人口が減ってきている中でのことですから、自動車メーカーにとっては深刻です。
小生の時代では運転免許は就職にも必須で、憧れもあり就職前に取るのが当たり前との認識がありましたが、時代は変化したものです。
若者の楽しみ方や遊びが多様化してきたことや、若者の所得の伸び悩みなどもあって、車を持つどころか、免許取得をためらう若者に車そのものに興味を持ってもらおうとすることこそが、トヨタは大切だと思っているのだと思います。
サロンビジネスでも同様に、お客様の需要を創造する必要があり、その必要性を訴えかけていく必要があるというのが、今年行ってきた主張です。
今までのメニュー構成で待っているだけでは難しい時代だと思うのです。
もうひとつ、最近セブンイレブンで『人生ゲーム』『エポック社の野球盤』など、ロングラン人気ボードゲーム類が販売されているのをご存知でしょうか。
クリスマスやお正月シーズンで、人が集まる機会が増えるのにともなって、訪問する側が持っていく需要や、招く側が購入して待つなどの需要を見込んだと想像しています。
業界の境目なく、お客様の喜ぶことを何でも取り入れていくというご時世なのです。
ネイルテーブルは美容室のみならず、ブティック、宝石店、ウィッグ専門店等に並び、ネイル技術がメニュー化されています。
美容室でも、ウィッグ&セットサロン&メイクアップ、着付けサロンの様な、シザーを使わない業態も現われています。
お客様の喜ばれる事なら、法律に反さない限りは業種をクロスオーバーしていく時代のように思います。
時代の感度を敏感にして、柔軟な頭で対応していきたいというのも今年の主張でした。

《絆》

「絆」は今年を表す漢字に選ばれました。
大震災の後、忘れていた心のつながりの重要性に改めて気付き、人と人との関係性の強化を考えた人が多いといわれます。
サロンビューティビジネスの様な、長時間滞在型のサービス業は、特にお客様とのつながりについて考えなければならない点が多かったとも思います。
今年は日本でもツイッターやフェイスブックが急速に利用者を増やしていきました。
それ以前より発展していたMIXIなども含めたSNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)の爆発的な普及です。
北アフリカエリアのイスラム国であるアルジェリア・リビア・エジプト等の市民革命や騒乱にはフェイスブックやツイッターが市民の情報源として市民の連帯の強化につながって、それらが無ければ旧体制は崩れなかったともいわれます。
人対人のつながりは、フェイスtoフェイスで直接向き合うのが、一番大切で基本ですが、暫く会えない時の絆をどう保つか感じ合えるかが長年のテーマだったと思います。
昔は手紙、そして有線の電話、さらに携帯電話、少し前までは、電子メールと発達してきました。
電話は一対一の独占コミュニケーションで、お互いの触れ合い度は高くても、それ以外の人とは同時接触ができない方法の上、相手の時間を拘束するものです。
電子メールは時間的拘束については無くしましたが、友達への拡がり感は少ないツールでした。
お店に来店された時間は濃密な関係が築ける技術者とお客様との関係が、一か月~三か月の次回来店の間までに、密接な関係性が徐々に薄れがちだったものを、フェイスブック等はお互いに情報交換や日常会話が気軽にできるようになったことによって、その間に親密感をさらに深めることを可能にしたのです。
社員、スタッフの相互の関係強化にもつながるようです。
① 現在を知りあう
② 過去を知りあう
③ 未来を語り合う
といったことが組織の関係強化に必要と言われてきましたが、会議や勉強会、食事、レクリエーション等の旧来手段の他に、時を選ばないで日常のお互いを理解し合って認め合うSNSという、親密感を深め合う手段が増えたのです。
お客様とスタッフとの密接なつながりをどのように深めていく=「絆を深める」かが今後の課題と考え、一年間執筆してまいりました。
一年間お読みいただきまして誠にありがとうございました。
新年度もさらに充実した一年となりますようにお祈り申し上げます。

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