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『得手(えて)に帆を揚げる』 ― お客様に愛される店の原点とは―

2011年03月20日

タイトルの諺は、「自分の得意な事や、自分の力を存分にふるえる機会が到来し、大いに勇み立つ事」をたとえて使われます。 「得手」とは「自分が得意とすること」で、好機に恵まれて得意なことを調子に乗り順調に進行している時を表す諺です。 同じ意味の諺としては、「得てに帆を掛ける」「得てに帆」「追風(おって)に帆を揚げる」「得手に帆柱」「真帆に追い風」「得手に棒」など沢山あります。 英語では、「Set your sail according to the wind」または、「Hoist your sail when the wind is fair」(順風の時に帆を揚げよ)と表現される様です。 四月はフレ ・・・

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『負けるが勝ち(価値?)』 ― 商売に勝ち負けがあるのだろうか? ―

2011年02月20日

あえて無理には争わずに相手に勝ちを譲ったり、一時的に負けたことにしておいた方が、結果的に有利になり、結局は勝ちにつながることを意味する諺です。 「江戸いろはがるた」の「ま」にも登場しています。 英語では、「He stoops to conquer」(勝とうとして身を屈する)と表現するようです。 少し前の時代まで「勝ち組」「負け組」といった言葉が、世間では頻繁に使われていました。 最近は、以前ほどこれらの言葉を目にしなくなりましたが、当時勝ち組とされていた人が没落したり、反社会的行為で逮捕されたり、逆に負け組とされてた人が脚光を浴びる等、世の中が変化しているようにも見えます。 今回は、商売には勝 ・・・

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『脱兎(だっと)のごとし』 ― 攻める年なのか?、守る年なのか? ―

2011年01月20日

ウサギ年にちなんで兎の入った諺でスタートします。 「脱兎の如し」は行動が非常にすばやいことのたとえで使われる諺です。 「脱兎」は逃げるウサギのことなので、追われると必死になってスピードが増すことを言っているようです。 中国の古典で孫子の書いた「兵法」という戦のやり方の心得の書物に出てくる表現の一部です。 正式には「始めは処女の如く後は脱兎の如し」というもので、始めは少女のように弱々しく見せて相手を油断させ、後になると目を見張るような力を発揮させるたとえとして使われます。 また、始めはのろのろとしていながら、後では逃げる兎のように素早い行動を取るたとえでも使われます。 以上が、辞書に載っている説 ・・・

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『一石を投じる』 ―常識とされることをまずは疑ってみる―

2010年12月20日

水に一つの石を投げ入れると、水面に波紋が広がります。 この諺は、新たな問題や意見を投げかけて、反響を呼び起こすことのたとえで使われます。 英語では「to cause ripples.」(=波紋を起こす)と表現するようです。 世の中には、常識として信じられているものがあります。 その中には、永久不変的なものもあります。 しかし、ある種の風習となって根付いてしまっているものもあれば、因習として残り、信じられ続けているものもあります。 また、時代とかけ離れてしまっているにも関わらず、迷信として残っているものもあります。 ちょっと待てよと立ち止まり、疑わしくなってきている常識に対しては、新たな石を投げ ・・・

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『猫も杓子(しゃくし)も』 ― 画一化防止と個性化促進を考える―

2010年11月20日

「だれかれの区別なくみんな」という意味で使われる諺です。 「杓子(しゃくし)」とは、ご飯をすくうシャモジのことです。 語源には諸説あり、猫の手と杓子の形が似ているところからだという説や、「女も子供も」の意味の「女子(めこ)も弱子(じゃくし)も」が変化したとする説などがあるようです。 英語では、「everyone that can lick a dish」(皿をなめられる者はだれも、かれも)と表現するようです。 先月号の当コラムでは、自店の課題を見つめようとすると、どうしても自店の強みを活かしてそれを伸ばすという発想がなくなりがちで、弱みを改善することばかりに目が行きがちになり、特徴の少ない平均 ・・・

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